​趣を残しつつ、モダンに生まれ変わった農家

Michi Koba Michi Koba
三田の農家-ANNEX/GAZEBO, eu建築設計 eu建築設計 Garage/shed
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今回ご紹介するのは複数棟から成る伝統的な家屋配置の農家の一部を改修、改築したプロジェクト。EU建築設計によって手掛けられたこちらでは、クライアントの死別した夫が建てた築15年の母屋はそのままに、納屋と離れを改修、改築して、クライアント、クライアントの義母と娘の女性3人家族のライフスタイルに合った住まいづくりが図られました。のどかな田園風景に馴染んだその佇まいの良さを残しつつ、クライアントの暮らしぶりを考慮し、モダンに生まれ変わた住まいです。では詳しく見て行きましょう。

​モダンに改築された離れ

初めにご紹介するのは、クライアントの80代の義母のために離れとして建替えられた納屋。こちらはもともと2階建てでしたがそれを、母屋とバリアフリーでつながるコンパクトな平屋に減築、改築することで中庭が風通しの良い明るい空間となりました。夕景では、中庭に面した大きな開口と、広縁の光天井からあふれ出す光がとても美しいです。

​三角天井が印象的な内部空間

こちらの離れは6畳分のフローリングと4畳の畳スペースからなっています。リズムよく並んだ三角の天井と広縁部分の間接照明を仕込んだ光天井が印象的です。広縁は窓を介して大きな濡れ縁につながっており、連続性のあるゆったりとして明るいくつろぎの空間となっています。

​フラットな畳スペースですっきりモダンに

別の角度から畳スペースを望んだ様子です。天井部分に埋め込まれた照明が柔らかい光で室内を照らします。畳部分がフローリングからフラットにつながっているので、バリアフリーであるのはもちろんのこと、すっきりとモダンな印象に仕上がっています。

​使われてない建物を改修して有効活用

次にご紹介するのは、もともと離れ座敷だった建物を人々が集いくつろげるような東屋のようなスペースに改修した部分です。この離れは長い間使用されておらず、クライアントは当初解体を望んでいました。ただ、この建物を解体しても、風雪よけや目隠しとして同程度のボリュームの構造物が必要になってくるため、もともとあった建物を改修して有効活用することとなりました。

​人々の集まる開放的な空間

離れ座敷の中庭側の壁は取り払われ、中庭につながる大きな広間と大きな縁側のあるスペースが確保されました。ここは、畑仕事の合間の休憩、収穫物の一時置き場、近所の人との交流や、親戚が集まる際に利用できるような多機能、多目的のフレキシブルなオープンスペースとなっています。ガラスを多用し明るく開放的な空間は、人が集まるのに理想的な空間ですよね。

​風景に馴染む改築

手前の建物が改修された離れ座敷、奥が納屋を改築して建てられた義母の離れです。この建物の敷地があるのは、茅葺きや日本瓦葺きの民家が散在し、のどかな田園風景が残る農村集落。築70年以上のこちらの住まいはその風景の一部を担っているため、周囲から見える屋根や外壁の特徴は基本的に保存するよう計画されました。古くからの要素と新たに加えられた要素が自然に調和して、既存の風景に馴染みつつも、新たな風を吹き込むような建物に生まれ変わりました。

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