ジャパニーズモダンで世代を超えた家づくり

Aya F. Aya F.
今後100年を見据えて・・江戸末期古民家屋敷再生, 環アソシエイツ・高岸設計室 環アソシエイツ・高岸設計室 Dining room
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ジャパニーズモダンは、和モダンや和風モダンなどとも呼ばれるように、伝統的な日本のデザインを現代の工芸や室内装飾に取り入れたスタイルのこと。モダンな要素を組み込むことで、古いようでどこかモダンだったり、モダンだけれどどこか懐かしかったりするようなデザインの家づくりが可能になります。今回はジャパニーズモダンの実例を6つご紹介するとともに、どのように和の要素を取り入れていけばよいか考えていきます。

ジャパニーズモダンを開放的に楽しもう

ジャパニーズモダンとひとくちに言っても、いろんな取り入れ方があります。最近よく耳にするのが、古民家再生やリフォームといった言葉。既存の家を崩して立て直すよりも時間がかからなかったり、コストも新築よりかからない場合もあったりするため、注目されています。折角の和の空間や構造を活かして、暮らしやすい家に、と思われる方も多いはず。こちらのお宅では、天井を吹き抜けにすることで、古い家にありがちな天井の低さからくる閉塞感からの解放を実現しています。

手を掛けることで土間も使える空間に

昔ながらの家には、今日の生活ではあまり使われなくなってきた空間もあります。例えば土間。屋内でありながらも履物を履いたまま入れる空間で、かつては農作業をする場として使われていました。本来の用途に使うことがなくなってくると、リフォームの折に手を掛けて形を変えてしまうことも。こちらは、千葉の建築家・木の家設計室アトリエ椿の手がけたお宅。土間の形は残し、多目的空間として作られています。風通しがよくなり、座敷が見渡せるこの空間は、人が気軽に集まれそうですね。

Photo: 畑 拓

古材と無垢材を組み合わせる

古い家をリフォームする場合、家の基盤をしっかりさせたり、朽ちた建築資材を新しく取り替えて耐震構造を強化したりすることが、さらに長く使うために大切な作業となります。古く丈夫な柱や梁は、その趣を活かしながら再利用されることが多いと思いますが、長年踏みしめられた床板は、新しくすることも。こちらでは、古材と無垢材とを組み合わせてリフォームされています。二色の異なる色合いの木が、古い家の気配を感じさせながらも、新しい爽やかさを匂わせる素敵なジャパニーズモダンな空間を作り上げています。

伝統的に、かっこよく

グローバリズムが進み、自らの生まれ故郷や文化への関心が高まって久しくなりました。着物や伝統芸能も、ひと頃よりは身近なものになってきたように思われます。ジャパニーズモダンというスタイルでも、伝統の形により近いデザインが取り入れられる例も以前よりは増えてきたのではないでしょうか。こちらのお手洗いは、そんな和のテイストを強く感じられる空間。月見窓から差し込み光が、伝統意匠が施された壁紙をほのかに照らします。ゾクゾクするほどクールな和モダンスタイルです。

格子をうまく取り入れて

格子のファサードは、昔からよく見られる伝統的な建築の要素。木の優しい色合いが、ほっと落ち着ける空間を造りだしてくれます。こちらのお宅では、二階までの高さがある格子戸をファサードに配した大胆なデザイン。リビングと格子戸の間は、テラスとして使えるようになっています。格子という伝統的な形を取り入れながらも、明るくプライバシーが保てる開放的なデザインの家は、モダンな中にも伝統の気配が感じられますね。

伝統的なファサード、モダンな内装

オープンキッチンに小上がり、吹き抜けというとてもモダンな要素が盛り込まれたこちらのお宅は、京都にあります。往来の激しい道を挟んだ向かい側には寺院庭園がある立地でありながら、プライバシーを確保しつつ、採光や通風のよい家に、とデザインされたそうです。景観に合わせて作られたファサードは、町屋を思わせる黒い壁と格子で構成されていますが、内装はこんなにモダン!町並みに馴染みながらも、現代のライフスタイルに合わせたデザインの家は、子どもからお年寄りまで心地よく暮らせそうですね。

Photo: Kei Sugino

【和モダンについては、こちらの記事でも紹介しています】

※ 和モダンな住まいにする6つの方法  

※ 和風モダンの魅力 

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