人生のステージに合わせて住まいを順応させていく。そのためにはリフォームという手段が選択肢の一つとしてあげられます。本日紹介するのは青戸信雄建築研究所が手がけたプロジェクトで、のどかな田園風景に囲まれた敷地に建つ築20年の和風住宅の1階部分をリフォームしました。施主は定年間近の夫婦とそれぞれの母です。家族構成が変化していく中で既存の住み慣れた住まいの記憶を残しつつ成熟したライフスタイルに合った新たな空間づくりを目指したプロジェクト、さっそく見てみましょう。
施主の大切にしている民芸家具と調和する和モダンのスタイルとモンドリアンの造形作品を思わせるコンポジションの接点を探求したデザインコンセプトとなっています。大胆な色遣いですが、漆喰や無垢といった落ち着いた自然素材によってバランスを取っています。
リビングとダイニングキッチンです。田園に面した西側の2室を1つの大きな空間にまとめ、開放的な空間を確保しました。窓を開けると田園風景が広がります。道路側から離れているので、喧噪から解放されのんびりくつろげる家族の団らんの場となりました。漆喰壁に無垢材のフローリングによってモノトーンにまとめつつ、随所にアクセントカラーを採用したモダンなキッチンです。
和室からリビングを見たところです。間仕切りは天井までの引き込み戸になっており、すっきりとした空間の連続性を演出しています。直線を強調したコンポジションが家具デザインにも表れ、バランスの取れたモダンな空間ですね。
和室は母のための部屋に続きます。将来的な家族構成の変化にも対応できるようあえて家の中心に配置しています。この2室の間も天井までの間仕切りで仕切られているので全開すると開放的な大空間に変わります。
開口には太めのフレームを設け結界を表現しています。曖昧な空間の流れにメリハリを付けるとともにインテリアのアクセントにもなっていますね。和とコンポジションがうまく融合したデザインです。障子は断熱性の高い太鼓張りを採用しており、和モダンの演出効果と機能性を持ち合わせています。
玄関です。青と赤の配色がモノトーンに映えますね。黒の飾り棚の水平ラインが空間にアクセントを与え、シンプルで機能的な玄関廻りです。
玄関の外観です。無垢の引き戸と透明ガラスの組み合わせです。垂直方向を意識したプロポーションとガラスがモダンな雰囲気を醸し出しています。施主の好きな和のテイストを十分に取り入れつつ洗練されたデザインでまとめています。
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