日本で見かける犬のペットはその人生のほとんどを首輪や手綱で繋がれた生活を送っているのかもしれません。日本人にしたら当たり前の光景で、むしろ首輪や手綱の無い犬はノラか猛犬扱いとして危険を感じてしまいますよね。しかし、育つ過程によっては手綱に引かれなくてもきちっと散歩が出来たりする生き物なんですよね。人とペットがもう少し信頼関係の持てるカタチが生まれれば互いに人生を楽しむことができそうですよね。そこで今回ご紹介するのは、庭のほとんどをドッグランとして設け、広いサンルームでお茶を楽しむことのできる、人と犬が互いに気持ちよく過ごせる住宅です。ATELIER Mが提案したのは、周辺の環境に考慮しながら住空間へ気持ちのいい採光が充分に取り込めるような住まいのカタチでした。来客(犬と人)をもてなすのが楽しい住まいになりました。
敷地は素晴らしい自然に囲まれた見通しのいいロケーション。ここは好立地な反面、歴史的な土地柄のよって特殊な法律規制をクリアして誕生したという経緯があるそうです。そう、この敷地内に城跡や古墳なんかもあるそうです。そんな背景をもって生まれた本住宅は白い壁が気持ちいいへの字型をしたシンプルでモダンな外観。真南を向いた外観は庭やテラス、テラスにサンルームと、光を大活用するスペースがふんだんに盛り込まれています。
快晴の日の外観は、真っ青な空に白い壁が良く映えます。そんな建物を囲うのは広々としたドッグラン。保育園の園庭並みに広いスペースは愛犬や友犬など集まれば、まさに犬の保育園。飼い主さんたちはテラスやサンルームでそんな犬を横目にお茶を楽しむことができます。ちょうど桜の季節、周辺の桜も花をつけ、四季を楽しむことができるのんびりとした環境です。
建物の長手に沿って開く大開口があるのはリビング・ダイニングスペース。天井は二階まで通づる大きな吹き抜けが。まるで外部と内部を緩やかに繋げるような採光や通風は半屋外のように心地よい風と明るさを感じることができるはずです。夏の西日対策を配慮した一階のリビングエリアでは背を向けるような壁によって上手に日差しをカット。角度や方向によって快適な空間を得ることができます。
ここはサンルームというだけあってダイレクトに日差しが差し込む場所。三方向を開口で覆われた空間はまるで「ガラスの部屋」と言えるほど明るくて気持ちのいい室です。白を基調として、清潔感あるタイル仕上げの床から、外から駆け回ってきたワンちゃんがそのまま上がっても問題なさそうですね。奥へと進めば飼い主さんにお手入れしてもらえる動線です。まるでサンルーム兼犬のサロンと言ったところでしょうか。
おもてなしが楽しくなる住まいでは欠かせない食糧庫。食べ盛り、走り盛りの住まう家では食糧ストックは当たり前の事かもしれません。そんなスペースも難なく解決してしまうほどの収納力をもったストックスペース。キッチンからの動線もカンタンで、家事がスムーズに運びます。天井まで余すことなく使い切る収納は、ミニ脚立を使って。
日が沈んだ頃、テラスにこぼれてくるのは、家族の賑やかな会話と暖かな明かりです。テラスからまっすぐにアクセスできるキッチンは昼のテラスではバーベキュー、夜は夫婦で空の下晩酌なんていうのもいいですよね。キッチン・ダイニング・リビングが一体となった空間は家族が各々に居ながらも心地よい距離をもってスムーズなコミュニケーションのとれる快適な住まいとなりました。